面白ネタ:シーランド公国 〜〜時代の波に翻弄され〜〜

もう、何がなんだかわからなくなってきましたが、シーランド公国の続き。

第一話→http://thriveonpraise.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html

第二話→http://thriveonpraise.blogspot.jp/2018/02/blog-post_57.html

とりあえず、この回で終わらせたかった・・・・けど終われませんでした(汗


それどころか、終話まではまだまだあり

(最初に言及したけど、このシーランドに置いては・・・・・私、資格勉強してて、試験が終わったら抜け殻のようになっておりまして。
「これじゃダメだ!でも色々やる気起きん!!」と言う感情の中、とりあえずコラムで面白いネタ探そうと言う所から始まった書き溜めです。
既に全話構築済み。

当コラムにおいて初となる長期連載となっております(滝汗

先は長いので、みなさま時間のある時にお読みください(汗






さてさて、クーデター騒ぎと亡命政府の樹立と言う、どこの20世紀初頭だ?と言う出来事が起きてから、西ドイツ政府からの外交官が来たりした後は、多分シーランド公国はそれなりに平和だったと思いますが、今度は1986年に、その存立を脅かす事態が起こります。



今度の相手はそこらの怪しい投資家とかではなく







イギリス政府です。



それまでの、冗談なのかネタなのか、本当に現代ヨーロッパで起きてる事かよ!っというかなり逝っちゃってる話とは打って変わって、真面目な話。



国際社会で、19世紀後半ぐらいから、「領海の定義とは?」「どこからどこまでが領海となるのか?」という議論が行われていて・・・・・・

それまで、イギリスを初めとする海洋国家・ヨーロッパ先進国は、狭い領海(当時の慣例としては3海里)を主張し、その他の国々は広い領海(色々。12海里と言う国もあれば100海里という国もあったそうで)を主張していて、調整がつかなかった事態が長きに渡って起こっていました。

領海が狭い方が、公海が増える→自分達が水資源獲得のために活動できる海域が増えるっという観点と、領海が広くないと、それまでの漁業が出来ない&領海が広くないと国土防衛が難しい(海上からの敵国の砲撃から身を守れない)と言う観点が国家間・・・・っていうか世界中で激突していて、結論が出なかったわけです。

それが、1980年代中盤に、多くの国が妥協して、領海12海里・経済水域200海里という事が定着していきます。


例えば200海里については、水産資源の関係で多分みなさん社会の授業で多少学んだと思いますが、この定義自体は1980年代中盤から主流となった話みたい。

日本の領海に関しては、結構面倒で、例えば津軽海峡に関しては3海里してあります。
12海里にすると、津軽海峡全域が領海になってしまい、在日米軍の船舶が領海進入する度に面倒な手続きしなきゃいけないそうで(汗

(公海であればそのような手続きは必要なくなるってことで、海峡内に公海を作るために3海里にしてあるって話。

つまり、現状、別に領海が狭かろうが広かろうがその国が設定する事なんだけど、国際慣例として領海12海里・経済水域200海里と言う事が浸透し、不要な衝突を避ける下地ができた時期と言う事で。)


そんな訳で、イギリス政府も、1986年にそれまで3海里に設定した領海を、12海里まで拡大します。




ちなみに、シーランド公国は、1968年に、イギリスの領海外の遺棄された要塞を領土として独立した訳ですが、この時の領海設定は3海里であり、12海里になると


シーランド公国は、








イギリス領海に存在する施設となります。






つまり、それまで領海外だったから放置していたのに、領海に入った・・・・つまり



1968年の「シーランド公国にイギリスの司法権が及ばない」と言う判例の根拠がなくなりました。


こんな感じ↓
https://bushoojapan.com/ さんより転載。)
黒い実線がイギリスの新しい領海線。破線がそれまでの領海線
青はシーランドが主張している領海。


シーランド公国に関する、このイギリス政府の領海の拡大については、とにかくネタとして取り扱われる事が多いのですが、本質的な所はシーランドなんて関係ない、国際社会における小難しい権利や慣例の話となります。

玉突きのようにシーランド公国にとって、極めて一方的に問題が出てきただけっていう(汗



そういう事情を知ってか知らないかはよくわかりませんが、この事態にロイ・ベーツ公はどうしたかと言うと、





なんと







国際協調や国際条約に関する事に自称独立国家として乗っかり




イギリスが領海を12海里設定に切り変わる日の直前に




「シーランド公国の領海も12海里とする!!」




と宣言し、あくまでイギリス政府に対抗します。

こうする事によって、イギリス領海にシーランド領海全てが取り込まれる事がなくなり、一部は公海に接する為出入りが自由となります・・・・・




・・・・・って、なんか書いてて欺瞞にしか思えないのは何故なんだろう・・・・





そしてどうなったかと言うと・・・・・・・







特に何もなかったようですね(汗





法規の問題を大真面目に考察すると、日本の民法162条1項に

「20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する」

と言う規定があります。

おそらく、イギリスにも似たような法律が当然あると思われ、とりあえず各種事項を整理すると

・もともとシーランド公国を構成する構築物(以下シーランド)は、イギリス政府に大戦後に遺棄されているものである。
(確定した所有権がない・もしくは所有権をイギリス政府が持っていたとしても、完全に打ち捨てられた施設であり、管理義務を放棄している)

・シーランドはイギリス領海外に存在した構築物であり、大戦後、イギリス政府はその所有を宣言した事がなく、諸外国も所有を宣言していない。

・ロイ・ベーツは所有の意志を持って公然と、所有権の定かではないシーランドを占拠し、かなり長い月日が経過している。
(ただ、それまでの経緯から、間違いなく平穏に占拠はしていないと思う。)

・近代法というのは遡求されないのが原則だから(遡求法なんて作る国は近代国家と認めてはいけない)、それまで領海外としていて、今回領海となった海域で行われた、それまでの不法行為については、不問に付される。




っという事から何にもなかったんでしょうね。

以前のような、海軍に警告射撃するわヘリで施設奪還するわって事でもやれば別なんでしょうけど、

言論の自由が保障されているイギリスですし、ロイ・ベーツの言う事が公の良俗を乱している訳ではないと判断されれば、面倒臭いしほっとくのが一番という結論に至ったのではないかと思います。





よかったねえベーツ公・・・・・





シーランド公国はまだまだ無事だったよ・・・・・・






って、






今度は私が大真面目に考察して長くなったから次に続きます。








いつ終わるんだよこの話題(滝汗

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