33.音楽に少し関係のある怪談

先日、「京都の潰れたスタジオで起こった怪奇現象」という怪談ネタをアップしたんですが、スマホアプリとの連携が悪くてどういう訳か削除されてしまいました。

同じネタをアップするのもどうかと思いますので、また違う怪談を。

こいつは私の友人から聞いたもので全く私は関係者ではない(前回は、実際目撃して動けなくなっていた友人を助ける立場で登場していました)ため、後日譚含めてどこまで真実かはわかりませんが、ちょっとおもしろいのでご紹介。

友人の話をわかりやすく再構築したものですのでその辺りはご了承を。


あるアマチュアバンドの面々が、深夜のスタジオ帰りに、見知らぬおじさんに声をかけられたそうです。

「H神社に行きたいのだけど道がわからない。知りませんか?」

おじさんは、ある神社を目指していたようですが、どうやら道に迷ってしまったらしく、車に機材を入れる彼らを捕まえて道を尋ねたってわけです。

おじさんは心なしか焦っている雰囲気で、しかも時間は深夜1時。

聞かれた人間(以後I氏とします)は「こんな時間に神社に行ってどうするんだ?」とは思ったものの、見た感じおじさんが悪い人だとも思えず、多分近所の神社のことだと思い、「H神社かはわからないけど、近所の神社なら・・・・」っと道筋を教え、それからメンバーと別れを告げ家に帰りました。

翌週、同じスタジオで練習を終え、家路につく時、また同じおじさんが表れ、同じことを聞かれたI氏は、「先週もお会いしましたよね?」と尋ねたわけですが、おじさんは「アレは多分違うやつだ」と言ったらしく、何が違うのかよくわからないが、認知症、もしくは少し障害のある人かもしれない・徘徊していて家族が探している可能性もあるかも・・・・・・っと思って、I氏はメンバーやスタジオのスタッフと相談して念のため警察に電話し、一応保護してくれるという話になったので、警察が来るまでおじさんがどこにも行かないように見張り、引き渡して一件落着・・・・・・・・・だったはずなんですが・・・・・・

それ以後、I氏はこのスタジオに来ると、頭痛・吐き気を催すようになり、練習できないからとそのスタジオを使う事をやめたそうです。

そして、メンバーみんな仲がよかったはずなのに、それから仲違いし始めてバンドは空中分解・スタジオも経営状態が急に悪くなり潰れてしまったそうです。

I氏は元々オカルト好きだったので、スタジオで会ったおじさんに、何か因果があったのではないか?と思い、落ち着いてから色々独自に調べてみたのだけど、結局何も分からず。H神社もスタジオの近所の神社ではなく、秋葉神社とか八幡様とか稲荷神社とか、そう言うこともわからずに、結局すべて偶然の一致で片付けるより仕方ないということで、彼の中でも幕引きとなりました。

・・・・・・・

数年後、彼は仕事でスタジオがあった付近に来る事がありました。

その時、顧客宅の横にあった小さな社があったのですが、それには「H神社」と書いてありました。

急に昔のことを思い出し、顧客とも上手に人間関係を築いていた彼は、ことの顛末を説明し、何か謂れがないか聞いてみたところ・・・・・

どうやらこの地区には百鬼夜行(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E9%AC%BC%E5%A4%9C%E8%A1%8C)の伝承があり、元々H神社はその鬼や霊を鎮めるために作られた神社とのこと。

百鬼夜行自体は仏教に弱いため、最初は近所の寺の中にあり、住職がそこも管理していたのだけど明治時代の神仏分離令の折、分社化して今のところに仮の社を建てられることに。

そして結局新しい場所も見つからずにずーっとそのままという話でした。

しかしそれだけでは自分が経験したことの説明が出来ないと思った彼は、何か違った謂れがないか聞いてみましたが無いとのこと。

しかし、仕事でよくこのお客さんのとこに来ていた彼は、その後も粘り強く聞き出し、ついに自分の経験に合致するであろう話を聞き出しました。

30年ほど前に、この地区で大きな事故があり、2人の男性が巻き込まれて亡くなったそうです。

2人は友達で、子供の頃はこの小さな社の前でよく遊んでもいたし、待ち合わせはいつもこの社の前。大人になってから、よく深夜1時頃にH神社で待ち合わせて釣りに出かけていたそうです。

事故後、付近が区画整理にかかり、社自体の場所は変わっていないものの、道が大幅に変わり、彼らの家からこの社にくる道も相当変わっているとのこと。

彼らがそのおじさんに取り憑いてH神社に向かっていたんじゃないか?とお客さんは言いました。

また、I氏にしゃべりかけたおじさんは近所でも有名な「憑かれやすい人」らしく、多分一回目と二回目は違う友人同士違う霊が取り憑いていたんじゃないか?とのことで。

そんでもって、二回目に(自分達は親切のつもりだったのだけど)I氏やバンドメンバーやスタジオのスタッフに社に行くのを邪魔されたと霊が感じて怒ったんじゃないか?と話されたそうです。

I氏はその後、そのお客さんに亡くなった2人のお墓の場所を聞いて、休日に墓参りに行き、H神社にお詣りして、今でもそのお客さんとは仲良くしているとのこと。

ただ、その時対応した警察がどんな目に会ったかは謎ですし、そもそも本気で認知症のおじさんだったかもしれないし、自分もアレルギーか何かだったのかもしれないし(とても接着剤臭のするスタジオで、ホルムアルデヒドの関係でやられたのかも)バンドが空中分解したのもたまたま・スタジオが潰れたのも景気の浮き沈みの問題とI氏は自分に言い聞かせて生活しているそうです。

どうです?

あんまり怖くないでしょ(汗

人伝の怪談て怖くないんだよなぁ(苦笑

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